2作品
深山の一軒家で旅の僧が出会った女の正体は、人の心根を鏡のように映し、邪心を抱く者だけを獣に変える竜だった。僧は真実を知らぬまま山を下りるが、その静かな慈悲と孤独の気配だけを胸に刻み続ける。
詩業への誇りゆえに官を辞した俊才は、屈辱に耐えかね山へ逃げ込み、竜となって姿を変えた。旧友との一夜の再会が、憧れた偉大さの代償と、己を喰った誇りの正体を暴き出す。中島敦『山月記』を翻案した変身の悲劇。